☑ 階段を下りるとき、気づけば手すりを探している。
☑ 正座をしようとして、途中であきらめた。
☑ 前より、歩くのが遅くなった。
膝の曲げ伸ばしがしにくい。股関節が重い。膝まわりが重だるい。
病院に通って注射をしてもらうと、そのときは楽になる。
でも、しばらくするとまた同じところで引っかかる。
「年のせいだから、仕方ない」
そう思って付き合っている方は、少なくありません。
ただ、ここで少し立ち止まってみてください。
ここまで、膝ばかりを見てきませんでしたか?
その膝のつらさ、原因は膝ではなく、足元にあるかもしれませんよ。
※膝の腫れが強いとき、熱をもっているとき、急に悪化したときは、まず医療機関を受診してください。
膝がつらいから、膝を温める。揉む。サポーターをつける。膝まわりの筋トレをする。
どれも大切なことです。
それでも同じ場所に戻ってくるなら、考えたいのは「なぜ、そこに負担が集まったのか」です。
体を家にたとえると、足首と足は土台にあたります。
土台が少し傾くと、その上の柱(膝や股関節)に無理な力がかかり、壁にひびが入ります。
ひびを埋めても、土台が傾いたままなら、また同じ場所にひびが入ります。
ところが多くの方は、「痛いところ=原因」と考えます。
「なぜそうなったか」を考える機会がほとんどないので、遠回りになってしまいやすいのです。
そのうえ、ストレッチ、サポーター、筋トレと調べるほどに情報が増えて、何が自分に合っている
のか分からなくなる。それも無理のないことです。
① 痛い場所と、原因の場所は別かもしれないと疑ってみる
膝がつらいから、原因も膝にある。この前提をいったん外してみます。
② 「いつから? きっかけは?」と遡る
過去の足首の捻挫、ケガ、骨折、手術。
靴底の減り方。立ち方や歩き方のクセ。
「そういえば、あの時…」と思い当たる方も少なくありません。
③ 自分では見えない・触れない場所は、調べられる人に見てもらう
足首や足の骨の動きの硬さ、体重のかかり方のズレは、自分で確かめる
のがとても難しい部分です。
自己流で続けて迷うより、まず「どこに負担が集まっているのか」を知ることが、
近道になることがあります。
では、足首が関わっているかどうかは、どうやって調べるのでしょうか。
膝がつらいと、まず膝を調べます。当院では、順番を逆にします。
ベッドに横になった状態で、足首・膝・股関節の動きを順番に確かめ、どこが硬いか、
左右でどう違うかを比べます。
次に足首を触る場所を少しずつ変えて、体重のかかり方に偏りが出るポイントを探します。
そのポイントで関節の動きが変わるかどうかも確認します。
足首の動きが変わると、膝や股関節の動きまで変わる方が少なくありません。
そう感じたときは、足元から整えていきます。
「落ち着いた」のではなく、「慣れた」だけかもしれない
過去の捻挫やケガ、骨折、手術のことは、問診で必ずうかがいます。
足首を捻挫した人の2〜4割は、その後も繰り返したり、ぐらつく感じが
残ったりするとされています。
痛みが引いても、足首の感覚や踏ん張る力まで完全に元通りになるとは限りません。
数十年前の捻挫のあと、足首のコントロールが戻りきらないまま、膝や股関節が
代わりに頑張り続けてきた。そんなことも、考えられます。
靴を脱いで、かかとの減り方を見てみてください。
左右で減り方が違う
外側ばかりが減っている/内側ばかりが減っている
当院では、外側の減りが早い方に、O脚傾向や骨盤の動きにくさ、足を外に振り出す
歩き方が見られることが多く、内側が減る方には、X脚傾向や膝への負担が見られる
ことが多い印象があります。
ただし靴底だけで判断できるものではなく、
あくまで「体重のかけ方にクセがあるサイン」の目安です。
そのままにしておくと
足元の動きが悪いまま過ごすと、その分の負担は膝や股関節に積み重なっていきます。
つらさから歩くのがおっくうになり、歩く量が減ると、体力や全身の元気にも影響します。
膝のつらさは、膝だけの問題ではなくなっていきます。
まず、自分の足元をチェックしてみる
① 靴底を見る
かかとの減り方に、左右差や偏りがないか見てみてください。
② 壁で足首の動きを比べる
壁に手を添えて立ち、片足を壁の前に置きます。かかとを床につけたまま、
膝を壁に近づけていきます。
左右で、どこまで届くかを比べてみてください。差があれば、足首の動きに左右差が
あるサインです(無理に頑張らず、手は壁に添えたままで)。
足元を整える、毎日の習慣
いちばん大切なのは、回数でも時間でもなく、毎日続けることです。
1日1つでも、ほんの少しでも構いません。歯みがきのついでに、テレビを見ながら。
それくらいの気軽さが、いちばん続きます。
竹踏み:テレビを見ながら、足裏をまんべんなく。
タオルギャザー:座ったまま、床のタオルを足の指でたぐり寄せます。
壁でふくらはぎを伸ばす:後ろ足のかかとを床につけたまま、前に体重をかけます。
後ろ膝を伸ばした状態と、軽く曲げた状態の2種類を、気持ちよく伸びるところで呼吸をしながら。
ショートフット:足の指を丸めずに、土踏まずをふわっと持ち上げます。
コツをつかむのが少し難しい運動なので、うまくできないときは、来院時にお伝えします。
片脚立ち:歯みがきのついでに。必ず壁や椅子のそばで、手を添えられる状態で。
ぐらつき方の左右差も見てみてください。
貧乏ゆすり:座ったまま、かかとを軽く浮かせて、小刻みに脚をゆらします。
名前の印象はよくありませんが、整形外科医の間では「ジグリング」として注目されていて、
関節液の巡りをサポートし、軟骨に栄養が届きやすくなると考えられています。
ふくらはぎの筋肉もよく動くので、デスクワークやテレビの時間に、気づいたときに。
どれも「ここまで頑張る」運動ではありません。強い痛みが出るときや、ふらつきが
気になるときは無理せず中止してください。
足元の動きを整えても、土台となる骨がスカスカでは、本末転倒です。
骨を家にたとえると、カルシウムはコンクリート、たんぱく質は鉄筋。
どちらが欠けても、丈夫な土台にはなりません。
そして骨は、適度な刺激を受けることで、骨づくりが進むと言われています。
そこでお勧めなのが、座ったままの足踏みです。
椅子に腰かけて、足を交互に床へトントンと踏みおろします。
立たなくてよいので、膝や腰に不安のある方でも取り入れやすく、食事の待ち時間にと、
毎日の「ついで」にできます。
骨づくりを支える栄養素は、この5つです。
カルシウム:乳製品、小魚、小松菜
たんぱく質:魚・肉・卵・大豆製品から、毎食どれか
ビタミンD(カルシウムの吸収を助ける):鮭、きのこ、青魚。適度な日光も
ビタミンK(カルシウムを骨にとどめる働きを助ける):納豆、小松菜、ブロッコリー
マグネシウム:大豆製品、ナッツ、ほうれん草
血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は、ビタミンKを多く含む食品について、
主治医に確認してください。
骨折の経験がある方、骨密度を指摘されている方は、主治医の指示を優先してください。
当院では、膝だけを見るのではなく、足首の動きを確かめるところから始めます。
足首の骨の動きや、足の甲・かかとの位置を調べ、調整して関節の動きに変化があるかを、
一緒に確認しながら進めます。
また、お腹まわりの硬さが、立ち方や体のねじれのクセに関わっていることもあります。
必要に応じて、内臓マニピュレーションで巡りをサポートし、体全体の並びを見ていきます。
膝のつらさを、膝だけの問題として抱え込まなくて大丈夫です。足元に目を向けることが、
遠回りに見えて近道になることがあります。
「自分の足首はどうなっているんだろう」と気になったら、お気軽にご相談ください。