前回、「力が抜けない」「枕を変えても疲れが取れない」という感覚の正体についてお話ししました。
今回は、その奥にある自律神経の仕組みを、もう少しやさしく紐解いていきます。
あなたはいま、こんな状態ではありませんか?
☑ 主婦・主夫の方:家事も育児もやらなきゃと分かっているのに、体が動かず後回しにしてしまう
食事の用意も、考えるのが面倒で動きたくないと思ってしまう
☑ 会社員の方: やる気はあるのに、重要な仕事ほどつい後回しにしてしまう
朝起きると、会社に行きたくないと思ってしまう
☑ 現場で働く方: 休憩を取っても、疲れが抜けている感じがしない
重い荷物を持つと、足に力が入らない
一つでも当てはまった方は、このまま読み進めてみてください。
これは「やる気」の問題ではなく、カラダが"通信制限"をかけている状態かもしれません
思い当たった方は、体が今、いわば「通信制限モード」に入っている可能性があります。頑張ろうとしているのに、頭も体も思うように動いてくれない。それは、意志が弱いからでも、サボり癖がついたからでもありません。
自律神経は「2択」ではありません
自律神経は「交感神経=興奮」「副交感神経=リラックス」の2択で語られがちですが、実際は3段階で切り替わっているとされています。①②③それぞれの状態を整理すると、こうなります。
なぜ③は、②(交感神経)とは別物なのか
ここが少し意外なポイントです。③の「通信制限モード」は、②の「フル稼働モード(交感神経)」の延長線では
ありません。実は①と同じ「副交感神経」の仲間です。
ただし、副交感神経には性質の違う2つの枝があります。
①の枝:「安心して人と繋がれる」ための枝。人と話したり、リラックスして食事をしたりするときに働きます
③の枝:「もう耐えられない」というとき、体が省エネモードに入って自分を守るための枝。エネルギーの消費を
最小限にして、これ以上のダメージから体を守ろうとする働きです
つまり①と③は、同じ「副交感神経」でありながら、正反対の目的を持った2つの枝なのです。
②のフル稼働モードが長く続いた結果、体がエネルギーを使い果たしてしまうと、あたかもスマホがバッテリー
切れを防ぐために通信を制限するように、体も自分を守るために動きを制限し始める。それが③の正体です。
だから、「やる気を出そう」と思っても出ないのは当然です。通信制限がかかっているスマホに「もっと速く動け」
と言っても動かないのと同じで、まずは体が「もう安全だ」と感じられる状態を作ってあげることが先です。
今すぐできる、小さな一歩
本格的なセルフケアは次回詳しくお伝えしますが、一つだけ今日からできることを挙げるなら「息を吐く時間を、吸う時間より長くする」ことです。ため息をつくように、ゆっくり長く息を吐くだけでも、体に「もう安全だよ」というサインを送ることができるとされています。難しく考えず、1日数回、意識してみてください。
まとめ
「頑張っているのに動けない」というとき、それは③の通信制限モードに入っているサインの可能性があります。まずは自分を責める前に、「今、体が省エネモードに入っているのかもしれない」と捉え直してみてください。
次回は、①の安心モードに戻っていくための具体的なセルフケアの方法を、詳しくお伝えします。
日常の些細な不調が続いている、という方はお気軽にご相談ください。