脊髄神経と内臓のつながり ~関連痛を分かりやすく解説~

2025年10月04日 17:52
カテゴリ: 今日のつぶやき


■ 体を動かす・感じる「脊髄神経」

私たちの体は「脳」からの指令を 脊髄神経(せきずいしんけい) を通じて受け取り、筋肉を動かしたり皮膚の感覚を感じ取ったりしています。

脊髄神経は全部で 31対。

首から出る「頚神経」

胸から出る「胸神経」

腰から出る「腰神経」

骨盤から出る「仙骨神経」

そして「尾骨神経」

それぞれが「体のどの場所を動かすか・感じるか」が大まかに決まっています。
例えば、

C5 → 肩の動き

T4 → 乳頭(胸の高さの感覚)

T10 → おへその感覚

L5 → 足の親指を上げる動き

S1 → 足の裏の感覚

このように「どの神経が体のどこを担当しているか」が分かっているのです。

■ 内臓をコントロールする「自律神経」

内臓は自分の意志で動かすことができません。
ここで働いているのが 自律神経 です。

交感神経(T1~L2)
→ 活動モード(心臓バクバク、呼吸が早く、消化はストップ)

副交感神経(脳神経とS2~S4)
→ 休息モード(心拍ゆったり、消化促進、排泄や性機能も活発に)

この2つがバランスを取ることで、私たちは健康を保っています。

■ なぜ「内臓の不調」が体の表面に痛むの?

たとえば 心筋梗塞の痛みが左腕に出る、
胆石の痛みが右肩に響く ― これが「関連痛(かんれんつう)」です。

仕組みはシンプルで、
内臓からの痛みの信号と、皮膚や筋肉からの痛みの信号が、脊髄の同じ場所に集まるから。
脳は「どっちから来た痛み?」と混乱し、皮膚や筋肉の痛みと勘違いして感じてしまう のです。

■ 臓器と関連痛の例

覚えておくと便利な代表例を紹介します👇

心臓(T1~T5):左胸~左肩~左腕の内側

肺(T2~T5):胸の前や背中中央

胃(T6~T9):みぞおち、背中左側

胆のう(T7~T9):右わき腹、右肩、右背中

膵臓(T6~T10):みぞおち、背中にベルト状の痛み

腎臓(T10~L1):腰のあたり、脇腹、鼠径部

尿管(T11~L2, S2~S4):腰から下腹部、太ももの内側、生殖器に広がる痛み(尿管結石で有名)

子宮(T10~L2, S2~S4):下腹部、腰、仙骨部、太ももの内側

直腸(L1~L2, S2~S4):腰の下、会陰部

■ まとめ

脊髄神経は「体を動かす・感じる」大切な神経。

内臓は「自律神経」によって自動的にコントロールされている。

内臓のトラブルは、神経の仕組みで「皮膚や筋肉の痛み」として表れることがある(=関連痛)。

■ 身近な例

胸が痛くなくても「左腕のしびれ」で心臓の異常に気づくことがある。

お腹が痛くなくても「右肩の痛み」で胆のうの病気を疑うことがある。

腰痛と思ったら、実は「腎臓」や「尿管結石」だった…なんてことも。

■ 最後に

体の痛みは「必ずしもその場所に原因があるとは限らない」んです。
「いつもと違う痛み」「理由が思い当たらない痛み」が続くときは、内臓のサインかもしれません。

ぜひこの知識を頭に入れて、日常や健康管理に役立ててみてくださいね✨



「当院では、内臓の働きを整える“内臓マニュピレーション”を取り入れています。
   内臓の動きがスムーズになると、姿勢や呼吸、睡眠まで変わります。」

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