【食事・栄養シリーズ②】冷え・代謝・免疫・受験期の“使える”栄養ガイド

2025年09月30日 18:56
カテゴリ: 今日のつぶやき
#冷え対策 #肩こり改善 #受験生応援 #食事で変わる


寒くなる季節、腰痛や肩こりだけでなく「冷え」「だるさ」「風邪をひきやすくなる」
「頭が働きにくい」といった声が増えます。これらは単なる気候のせいではなく、
日々の“食べるもの”と“生活習慣”が大きく関係しています。

この回では、少し深掘りして「どの栄養が不足すると冷えや代謝低下につながるのか」
「免疫力を高める食べ方」「受験生におすすめの食事と生活習慣」をわかりやすく、
実践的にまとめます。


1) どの栄養が足りないと“冷え”や“代謝低下”につながる?

鉄(Fe) — 体温調節と酸素運搬の要

鉄が不足すると酸素運搬が下がり、体の熱を作りにくくなります。
鉄欠乏性貧血は“冷えを感じやすい”原因の一つです。

食材例:赤身肉、レバー、貝類、ほうれん草(ビタミンCと一緒に取ると吸収UP)

ヨウ素(I)+セレン(Se) — 甲状腺ホルモンの司令塔

甲状腺ホルモンは基礎代謝を左右します。ヨウ素はホルモンの材料、セレンは活性型ホルモン(T3)への変換を助けます。両方の不足で代謝が落ち、冷えや体重増加感が出やすくなります。

食材例:海藻(ヨウ素)、魚介、ナッツ類(セレン)


タンパク質と筋肉量 — 熱を生む“エンジン”を守る

筋肉は基礎代謝の大きな部分を占めます。低タンパク・低エネルギーだと筋肉が減り、代謝が低下します。特に高齢者や運動不足の方は注意。

食材例:魚、鶏肉、卵、大豆製品、乳製品


ビタミンB群・マグネシウム — 細胞のエネルギー工場を支える

B群はミトコンドリアでのエネルギー産生に必須、マグネシウムは筋肉の収縮・弛緩や代謝反応に関与します。不足で疲れやすさや寒さを感じやすくなります。

食材例:玄米、豚肉、葉物、ナッツ、豆類

豆知識:単に“脂肪を燃やす”だけでなく、甲状腺ホルモンの材料(ヨウ素)や変換のサポート(セレン)を整えることが、寒さに強い体作りには重要です。


2) 免疫力を上げるために“注意して食べる”こと

免疫は“何をどれだけ食べたか”と“栄養バランス”に強く影響されます。ポイントは「偏らない」「エネルギーとタンパク質を十分に」「腸内環境を整える」こと。

重要な栄養素

ビタミンD:免疫の調整に関与。日照が少ない季節は意識して摂る。きのこや脂の多い魚、日光浴で補う。

亜鉛(Zn):免疫細胞の働きに必須。亜鉛不足は感染に弱くなる。牡蠣、赤身肉、ナッツに豊富。

ビタミンC:症状の持続時間を短くするというデータあり(ただし予防効果は限定的)。果物・緑黄色野菜を日常的に。

タンパク質:抗体や免疫細胞はタンパク質から作られる。十分な高品質タンパクが必要。

食物繊維(プレバイオティクス)と発酵食品:腸内細菌叢を整え、免疫の土台を良好に保つ。

食べ方のコツ(季節版)

朝はしっかり:朝食でタンパク質+ビタミンC(例:卵+ヨーグルト+果物)

小まめに温かい飲み物:血流改善で免疫サポートに役立ちます(砂糖入りは控えめに)

外食・加工食品を減らす:トランス脂肪や過剰塩分は炎症を促進しやすい

3) 受験生(学生)向け:頭が働く食事&生活の取り方

勉強効率を上げるのは“単一の食品”ではなく、栄養と生活リズムの組み合わせ。短期記憶や集中力を支える要点を示します。

食べ物(すぐできる推奨)

DHA/EPA(オメガ3):脳の構成成分。青魚(サバ・サンマ・サーモン)やナッツ類で補給。

コリン(卵):記憶や注意に関わる神経伝達物質(アセチルコリン)の材料。

鉄分:貧血は集中力低下の原因。朝食に鉄+ビタミンCの組合せを。

ビタミンB群:エネルギー生成や神経機能に関与。特にB1/B6/B12/葉酸を含む食品をバランスよく。

複合炭水化物:血糖の安定で集中力持続(玄米・全粒パン・オートミール)

生活習慣(科学的に有効)

睡眠(7〜9時間):学習の“定着”は睡眠中に行われます。午後の仮眠は20〜30分がめやす。

短時間の運動(30分):有酸素運動は注意力や作業記憶を一時的に高める効果あり。

カフェインは守るルールで:午前や学習前の少量は集中に有効。ただし寝る4〜6時間前は控える。

復習→睡眠の順序:重要な内容を学んだ後に質の良い睡眠を取ると記憶の定着率が上がります。

4) 秋〜冬におすすめの食材 & 1週間ピックリスト(簡単)

青魚(サバ・サンマ)→ DHA・タンパク

レバー・赤身肉・貝 → 鉄・亜鉛

きのこ類・干し椎茸 → ビタミンD(加熱してもOK)、食物繊維

サツマイモ・かぼちゃ → 低GI炭水化物+ビタミン

生姜・ねぎ → 血流改善(温め効果が期待できる)

納豆・ヨーグルト → 発酵食品で腸内環境サポート

ナッツ類 → マグネシウム・良質脂質

5) 少しマニアックな“海外の知見”まとめ(読み飛ばしてOK)

鉄欠乏は「体温調節」や寒さへの耐性に関わるという研究がある。

セレンは甲状腺でのホルモン変換(T4→T3)を助け、代謝に影響する可能性が指摘されている。

ビタミンDは呼吸器感染症のリスク低下と関連する大規模解析がある。

子ども・若年の認知では、DHA含有の長鎖オメガ3の補給が有益な結果を示す研究が一定数ある(用量依存性の傾向あり)。

6) すぐできる簡単レシピ例(朝+おやつ)

朝のパワー丼:玄米ごはん+温泉卵+納豆+鯖の缶詰(軽く温める)+小ねぎ

頭スッキリおやつ:ヨーグルト+ベリー(冷凍でもOK)+砕いたナッツ

ほっこり免疫スープ:きのこ・生姜・豆腐の味噌スープ(乾燥椎茸を戻すと旨味とミネラルUP)

7) 最後に(まとめ)

冷えや代謝低下、免疫低下、受験期の“集中力低下”は、単一の食品で解決するものではありません。日々のバランスと生活リズムが土台になります。

まずは「朝食を整える」「週2回以上の青魚」「鉄とビタミンCの組合せ」を意識するだけで、実感しやすい変化が出ます。

行動チェックリスト(3週間トライ)

週に2回青魚を食べる

毎朝タンパク質を含む朝食を取る

1日1回、温かい発酵食品を摂る(納豆・ヨーグルト)

毎晩7時間以上の睡眠を優先する

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